|
この日、購入したBild紙(6月12日付)より。「イタリア・ゴールド」と書かれたTシャツを着ているバラックは、後のイタリア優勝を予言していた? …というか、そんなもん着てるから、準決勝でイタリアに負けるんだよと突っ込みたい。
市電の駅のベンチに座ってこの紙面に見入っていたら、隣に座った初老のおばさまが「バラックって素敵ね」と話しかけてきた。なんというか、いろんな意味で「さすがドイツだ」と思った。
|
|
街を彩るサッカー広告の多さは「さすがドイツ」という感じで、それらを見て歩くだけで楽しめたが、せっかくWMに合わせて渡独したんだもの、やはりWMの試合が見たい。チケットは持っていなくても、PV(パブリック・ビューイング)会場で皆と一緒に見るだけでもいい。
ケルンでも、街の二ヶ所にPV会場が設けられていた。一ヶ所は大聖堂の真横の広場に、もう一ヶ所はHeumarktという広場に。
どちらも混雑するだろうけど、大聖堂横の会場よりも、HeumarktのPV会場の方がまだ空いているのではないかと思い、Heumarktで日本戦を見ることにした。Heumarktへは、市電に乗って出かける。この市電は中央駅からはつながっていないので、初めて訪れた観光客にはちょっと分かりづらい。
私も最初は戸惑ったが、何度も乗っているうちに、市電の魅力に取りつかれてしまった。なんといっても、ちょうど自転車に乗っているのと同じスピードで、車窓の景色が流れるのがいい。電車ほど速すぎもせず、徒歩ほど遅すぎもしない、絶妙なスピードなのだ。人間だけでなく、犬も慣れた足つきで市電に乗り込んできて、おとなしく車窓の景色を眺めている。きっと犬にとっても、心地よいスピードなのだろう。
ただ車内は汚い。これは市電に限らず、地下鉄や列車にも共通することだが、ドイツの電車内は基本的にあまり清潔とは言い難い。きっと、犬も自転車も乗り放題だからだろう。ジュースが床にこぼれたままだったり、落書きもされ放題だったりはザラである。
だが犬も乗車OKな割には、犬の糞は全く落ちていない。車内ではもちろん、路上でもそうだ。あれだけたくさんの犬を見かけるにもかかわらず、一度も路上で犬の糞を見つけたことはなかった。これには本当に驚き、そして感心した。いかにドイツの犬がきちっとしつけられているかを知ると同時に、ドイツ人の環境への意識の高さを垣間見た思いだった。
また「ドイツは犬が多い」といっても、街で見かけるのはほとんどが飼い主とともに散歩している飼い犬で、野良犬を全く見かけなかった。一度飼ったら最後まで面
倒を見る飼い主が多いのか、それとも野良犬を見つけたらすぐ捕獲するシステムが完備されているのか。本当の理由は分からないが、とにかく野良犬は一匹も見かけなかった。それもまた、路上に糞が放置されていない一因かもしれない。
|
「ケルンスポーツ」発行のWM無料パンフレット。PV会場の位
置がサッカーボールのアイコンで示されている。
表紙では日本と韓国の国旗がやたらと目立っているが、スポンサーの関係だろうか?
|
|
PV会場となったHeumarktのイラスト案内図。実際は、こんなにぎっしり人が詰まっている訳ではなかった。 |
|
Heumarktで、日本対オーストラリア戦を観戦する人たち。中田選手の顔がスクリーンに映っている。 |
HeumarktのPV会場は、やはり大聖堂横の会場ほどは混雑していなかった。青いユニフォームを着た日本人サポーターの姿も、けっこう見かけた。彼らのほとんどは最前列に座り込んで、設置された大スクリーンを見上げていた。
私が少し遅れて会場に到着したのは、ちょうど日本が先制点を挙げた直後だった。そのまま最後まで見ていたかったが、こ試合の後に始まる「アメリカ対チェコ」のチケット入手を優先させて、後半が始まってすぐにPV会場を後にした。だが結局、ゲルゼンキルヘンのスタジアムにたどり着くことすらできずに、とぼとぼとケルンへ引き返した。(このあたりの経緯について、詳しくは「サッカーを見る」を参照)
そんな訳で、日本が残り数分でたて続けに3点取られたシーンは、PV会場では見ていない。あれほどまでに凄い逆転劇はなかなかないだろうから、その瞬間をリアルに体感したかった、という気持ちがある反面
、その瞬間の日本人サポーターの落胆ぶりを思うと、その場に居合わせなくてよかった…とも思う。また、会場に大勢いたドイツ人たちの反応がどうだったのかも気になる。ほんの10日ほど前、親善試合でドイツ代表を圧倒した日本代表は、ドイツ人の間でもその評価が急上昇だったのだが。
右
Neumarktで市電を待っている間に、駅前のインビスでケバプを買って、その場で立ち食い。皮はパリッと、中の野菜もサクサクで美味。皮の裏側に塗られたピリ辛ソースがポイント。
下 ケバプを購入したNeumarktの店。ケバプだけでなく、ドリンク類も豊富にそろっていた。
右下 こちらもケバプのインビス。場所はどこか忘れたが、たぶん駅のすぐ近く。ケバプのインビスはドイツ中にあるが、特に市電の駅前などに店を出していることが多い。
|
|
|
|