ムーミン経由、ドイツ行き
大聖堂に架かる橋
ニール 
・鐘の鳴る町

・川の流れる町
天国への509階段
・その1 ・その2
ひとつきだけの世界遺産
街で人気のコンディトライを探して
中華飯店で日韓友好?
ショッピングモール・アドベンチャー
・その1
・その2 ・その3
ケルンぶらぶら歩き
・その1 ・その2 ・その3
たった一時間のラインクルーズ
   





庭に花を植えるイギリス人、ジャガイモを植えるドイツ人
ケルン郊外を歩いているときに見つけたビル。たぶんアパート。
中央の階段部分にはめこまれた、大小さまざまなガラス窓のデザインがかわいい。

 街歩きの醍醐味のひとつに、カッコイイ建造物を発見する楽しみがある。何をもって「カッコイイ」と思うかは人それぞれだが、少なくともドイツの街は色んな「カッコイイ」にあふれていた。そしてバラエティに富んでいた。教会や聖堂など、築100年を越える歴史的建造物もあれば、最新の技術を駆使したビルもあり、歩いていて飽きなかった。
  ごく普通のマンションでも、必ずどこかに「デザイン」や「装飾」があるのも特徴だ。だが決してゴテゴテした過剰は装飾はなく、あくまでさりげなく、全体的に「機能美」を重視したデザインが多い。特に近代の建築物はそうだ。これはやはり、バウハウスの影響だろうか?…と、建築に関しては全く素人の私は思うのだった。(ドイツで建築といえば、バウハウスしか知らないのだ)
 だが「カッコイイ」は多くても、「カワイイ」建物はあまりないように見えた。もっと田舎に行けば、メルヘンチックな木組みの家々があるのだろうが、少なくともケルンでは見かけなかった。またベルギーやオランダの家々のように、窓辺をたくさんの花で飾る習慣はないらしく、一見、殺風景な建物が続いている。特に似たようなマンションが立ち並ぶ、中・低所得者層の住宅街はそうだった。
 だがそんな地味なマンション街も、WM期間中は華やかだった。というのも、窓辺に花を飾る代わりに、国旗を飾っていたからだ。ドイツ国旗はもちろん、ブラジルやスイスなど、世界中の色とりどりの国旗を窓辺に飾る風景はカラフルで、お祭りムードを盛り上げていた。

 窓辺だけでなく、庭にも、ドイツ人らしさが現れていた。基本的に「花」で家を飾るという習慣が薄いらしく、イギリスのようにガーデニングを楽しんでいる家は少ない。そんなガーデニングをする敷地があるなら、自家農園を作っている家が多かった。もちろんつくる野菜は無農薬の、有機栽培だ。花の代わりに野菜を植えるところが、いかにも「実用本位 」なドイツ人らしくて嬉しくなる。やっぱり住むならイギリスよりドイツだな。私も花を植えるより、ジャガイモを植えたいもの。

 

アートな街角・NY生まれのアイスクリーム

 ケルンだけでなく、ドイツの他の街を歩いていても感じたことだが、巨大な広告看板や、ネオン広告をほとんど見ない。やはり街の景観を損ねる建造物は厳しく規制されているのだろうか。
 その甲斐あって、どの街も「都会」の割には落ち着いている。反面、派手な広告がないから面 白みがない、という見方もできるだろう。ニューヨークのタイムズスクエアのような、あんなエネルギッシュな街角はドイツにはない。
 と思いながら歩いていたら、巨大なアイスクリームが屋上に突き刺さっているビルを発見した。あのようなオブジェはドイツでは非常に珍しく、明らかに周りの風景から浮いている。一緒にいたH氏に聞くと、ニューヨークのデザイナーが、ビルのオーナーに依頼されてつくったものらしい。なるほど、確かにあのセンスはドイツ人にはないものだ。
 ニューヨークで制作されたアイスクリームの巨大オブジェは、船に乗ってはるばるケルンまで運ばれてきたらしい。ビルのオーナーは「このオブジェはケルンのシンボルになる」と自信満々だったらしいが、果 たして。