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カイザー・ヴィルヘルム記念教会の中に展示されているキリスト像。教会の一階は展示室になっており、実際の礼拝は、隣に建てられた新しい教会で行われている。 |
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上:Right
Said Fredのライブに聞き入る観客。無料の街角ライブなので、ふだん彼らのコンサートに足を運ばないであろう年配のお客さんもけっこういた。 |
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上:会場を警備する警官たちも、ライブに合わせて体を揺らすなど、リラックスムード。
旅行客にカメラを向けられると、全員で笑顔でポーズを取ったりして、庶民的なおまわりさんたちだった。
右: 夕日を浴びて輝くカイザー・ヴィルヘルム記念教会。
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Right Said
Fredのアルバム「STAND UP」。本文に出てくる「STAND UP (FOR
THE CHAMPIONS) 」 も収録。 |
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バンドの演奏が終わると、次はDJ風の男性が出てきて、一人でレコードを回しながらギグを始めた。するとたちまちステージの前から観客がいなくなり、ほんのわずかな客しか残らなかったのは気の毒だった。そういう私も、いつしか空が暗くなり始めているのに気づき、ステージの前から離れて帰途につこうとしたのだが。ライブに聞き入っていて気づかなかったが、ふと時計を見るともうすぐ10時になろうとしていた。
さっきまで明るかった空も、いったん陽が沈み始めると早く、たちまちあたりは薄暗くなった。旅行客が深夜、見知らぬ
街をうろつくことほど不用心なことはない。それは分かっているものの、さっきのライブの熱気がまだ抜けきらない私は、ZOO駅構内の書店に立ち寄って、サッカー雑誌を購入した。店を出ると、あたりは真っ暗。来る時に通
って、覚えたはずのペンションへの帰り道も、暗やみの中だと全く別の道に思える。駅の周囲にはホームレスのような人もうろついており、さすがに怖くなった私は競歩なみの早歩きでペンションへの道を急いだ。昼からカリーヴルストしか食べていないのでお腹が空いているはずなのだが、それより「早く返らなきゃ」という危機感の方が勝っていた。
ペンションに着いて、自室にたどりついてから、ようやく「しまった。パンと水だけでも買ってくればよかった」と後悔する。お腹が空いているのはもちろん、それ以上にのどが渇いて仕方がない。日本とちがって、ドイツの水道水は石灰分が多く、そのままゴクゴク飲めないのだ。
しかしもう一度、ペンションを出て水を買いに行く気にはなれない。渡された部屋の鍵はかなり開けにくく、この部屋に入るのに一苦労だったのだ。それに深夜の街に出たところで、日本のコンビニのような24時間営業の店があるとも限らない(たぶんない)。旅慣れている人なら、こんなときのために非常用の水やカロリーメイト、また薬などを携帯しているのだろうが、無知な私は何ひとつ持っていない。
そうしているうちに咽の渇きと空腹で、立ち上がるとめまいがするようになってきた。崩れるようにベッドに倒れ込む。空腹はともかく、咽が渇いているのに水が飲めないというのが、こんなに辛いとは思わなかった。追い討ちをかけるように、つけっぱなしにしているテレビから、ZDFのニュースキャスターが「明日の開幕戦、キャプテンのミヒャエル・バラックが出場できそうにありません…」と深刻な表情で伝えてくる。すぐ後に、これまた険しい表情のクリンスマン監督の記者会見と、明らかに不服そうなバラックのインタビューが流れる。どうやらクリンスマンとバラックは、明日の出場をめぐってにわかに対立しているらしい。しかし自分自身が明日の朝、無事に起きられるかどうか分からない今の状況では、そんなニュースも上辺だけで通
り過ぎていった。とにかく今は、ドイツ代表のことを心配するより、自分の体を心配しなくては。私はテレビの電源を切ると、布団にもぐって無理やり目をつむり、朝が来るのを待ち続けた。とにかく明日、早く起きてペンションの朝食を食べて体力を回復させるしかない。しかし果
たして明日の朝、ちゃんと起きられるのだろうか?WM目的でドイツに来たのに、そのWMが開幕する朝に病院に運ばれたりしたら惨めすぎる。私はいったいなんのためにドイツに来たんだ。ここで倒れたら後の日程が全てパーだ…などと、体が弱っていると心まで弱るのか、悪い方へ悪い方へと頭を巡らせているうちに、いつしか眠りに落ちていった。
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ZOO駅の前にあった映画やコンサートの広告看板に、宮崎駿監督の「天空の城ラピュタ」を発見。ちょうどドイツで公開されているらしい。 |
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この日、購入したBild紙(6月8日付)の映画コーナーでも「ラピュタ」が大きく取り上げられていた。 |