どうでもいいひとりごと@映画

※公開前の映画についての感想が多いです。ネタバレには十分ご注意ください。

【2004年3月〜4月】
▼タイトルをクリックすると、その映画の感想にジャンプします。
「スキャンダル」(2003年/韓国 監督:イ・ジェヨン 出演:ペ・ヨンジュン、イ・ミスク)
「アタック・ナンバーハーフ2全員集合!」(2002年/タイ 監督:ヨンユット・トンコントーン 出演:チャイチャーン・ニムプーンサワット)
「レディ・キラーズ」(2004年/アメリカ 監督:ジョエル・コーエン&イーサン・ コーエン 出演:トム・ハンクス、イルマ・P・ホール)
「ヴェロニカ・ゲリン」(2003年/アメリカ 監督:ジョエル・シュマッカー 出演:ケイト・ブランシエット、ジェラルド・マクソーレイ)
「ネコのミヌース」(2001年/オランダ 監督:フィンセント・バル 出演:カリス・ファン・ハウテン、テオ・マーセン)
「パッション」(2004年/アメリカ・イタリア 監督:メル・ギブソン 出演:ジム・カヴィーゼル、モニカ・ベルッチ)
「フォーチュン・クッキー」(2003年/アメリカ 監督:マーク・ウォーターズ 出演:ジェイミー・リー・カーティス、リンゼイ・ローハン)
「TAIZO」(2003年/日本 監督:中島多圭子 声の出演:坂口憲二、川津祐介)
「ドラムライン」(2002年/アメリカ 監督:チャールズ・ストーン三世 出演:ニック・キャノン、ゾーイ・サルダナ)
「ビッグ・フィッシュ」(2003年/アメリカ 監督:ティム・バートン 出演:ユアン・マクレガー、 アルバート・フィニー)

2004年7月〜8月

2004年5月〜6月

「スキャンダル」
2004年4月23日 松竹試写室

アジアの貴公子・ヨン様、遂に映画デビュー!な作品。しかし私はヨン様についての予備知識はまるでなく。一応NHK-BSに加入しているものの、「冬のソナタ」は一度も見たことなし。そもそも、この映画の試写 会招待状が届いて、初めて“ヨン様”の本名がペ・ヨンジュンだと知った始末。とほほ。
しかし根がミーハーなもんで、ついさっきまで「ヨン様って誰?」状態だったにもかかわらず、とりあえず今をときめくスターが出てる話題の映画!というだけでふらふらと観に行ってしまいました。ほんと、真面 目な映画ファン、及びヨン様ファンから見ればひんしゅくだろうな、すみません。

が、しかし。ミーハーな期待に胸弾ませて観に行ったものの…。う〜ん、観てないからなんとも言えないけど、「冬のソナタ」では役柄がよかったから人気が出たのかなぁ?正直言ってこの映画の“ヨン様”は、そんなに人気が出るほど魅力的だとは思えなかった。むしろ、ヒロイン二人の方が印象に残ったかも。特にチョ夫人を演じたイ・ミスク(岩下志麻に似てる)の“高貴”としか表現できない貫録たっぷりの美しさ、存在感には目が釘づけ。彼女が画面 に登場するだけで、場面がぐっと華やかになると同時に、緊張感がぴしっとみなぎる。これぞまさに「映画女優」。80年代の韓国映画界のトップ女優として君臨していたというのも納得。
もうひとりのヒロイン、貞淑な未亡人を演じたチョン・ヒョンは、何かあるたびにすぐに気を失って倒れたりうずくまったりするのがおかしくて(笑)。いやいや、まさに男性が守ってあげたくなるような、清楚で貞淑でかよわくて、でも内には一本芯の通 った強さを秘めている、という理想の女性像を見事に演じていました。お嫁さんにしたいタイプNo.1って感じ。ただあまりにも「男性が求める理想の女性像」すぎて、「こんな都合のいい女、実際にいる訳ないやろ!」と突っ込みたくなってしまって。
突っ込むといえば、この貞淑な未亡人はヨン様演じる主人公にほとんどストーカーまがいの執拗さでアタックされ続け、ついに陥落するんだけど、そこらへんの心理描写 が説得力に欠ける。 夜、いきなり寝室に忍び込まれたりと犯罪まがいのことをされた相手を、結局好きになってしまって体を許してしまう。そのきっかけが説明不足で伝わらないから、「え?どーしていきなりそのストーカー男とそうなっちゃうわけ?」と、見ているこっちはきょとんとしてしまう。これじゃあ、「どんなに女は嫌がろうと、男は押して押して押しまくれ。そしたら女は必ず堕ちる」と言ってるみたい。んなもん、実際にやったらますます嫌われて、逃げられるって!
え、普通の男がそういう事をしたらバツだけど、ヨン様なら全然オッケー?あ、そーですか…。でもそう言われて納得できるほど、この映画のヨン様は「いい男」には見えないんだよなぁ。

あと、この映画を観て初めて韓服(チマ・チョゴリ)の美しさに気付きました。体型があまり出ない、禁欲的な服だからこそにじみ出る色気がいい。もっとも、これはタイプの違う韓服を華麗に着こなしていたヒロイン二人の魅力に負うところ大かもしれませんが。

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「アタック・ナンバーハーフ2 全員集合!」
2004年4月21日 ABCホール

こういうシリーズものは必ず一作目を観てから続きを観るようにしてるんだけど、これは観ていなかった。そのせいか、イマイチ映画にノリきれなかったのが悔しい。前作を観ていたら、もっと感情移入できて、細かいギャグも理解できて、もっと笑えただろうになぁ。
最近観たコメディでは「フォーチュン・クッキー」がすごくテンポよく、全ての登場人物のキャラが「立っている」希有な作品だったんだけど、そのせいかどうもこの作品はテンポがのろく、ゆったりしているように感じたんだけど、そこがまた、ハリウッド映画とは違うタイ映画ならではの「味」なのでしょう。
それとこれは「実話が元」だからだと思うんだけど、選手たちがとても個性的で キャラが立っているのに比べて、監督のキャラが弱い。一応「オナベ」という設定になっているものの、その設定が全く生かされておらず、ごくフツーのおばちゃんという感じで、個性豊かな選手たちを束ねるカリスマ性はみじんも感じられず。…でもまぁ、先に言ったようにこれは「実話を元にして作られた」作品だから、あの監督も実話通 りなのでしょう。だったら、仕方ないよね。実話とはかけ離れた奇抜なキャラクターを創造するとこの作品の意味がなくなるし。むしろ、私はあのオナベ監督のキャラの弱さに、「あー、やっぱりこのお話は実話だったんだなあ」と実感して、多いに納得したのでした。

でもやっぱり、最後まで「前作を未見」というハンディはついてまわり…。登場人物たちそれぞれのキャラがイマイチ把握しづらくて。最後まで、チャイとウィットの見分けがつかなかった私はアホでしょうか(^^;)。
試写会場は満員で、上映前から熱気むんむん。やっぱりここに来てる人たちはみんな、前作を観た人たちばっかりなんだろうなぁと思うと、なんだか取り残された気分になったし。事実、周りの人はみんな私よりノリがよく、大笑いしてたもんね。くっそー、私も絶対、一作目を観るぞ!と心に誓ったのでした。
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「レディ・キラーズ」
2004年4月20日 梅田ブルク7

「トム・ハンクスは、やっぱりコメディが似合うなあ」と実感する作品。ハンクスのコメディ演技が堪能できます。特に興奮のあまり奇声を発したり、またそれをこらえたりするシーンは絶品!
…でも、それだけ。ハンクスの演技を楽しむ以外に見どころなし。後日、配給会社の人に「どうでした?」と聞かれて、「正直に言っていいですか?…期待していたほどではなかったです…」
すると向こうも納得したように「私も、最初観た時はイマイチ、よく分かりませんでした。でも二度、三度観てみると、“なるほど、こういうことだったのか” と分かるんですよね。最後、ネコちゃんが指を捨てて完全犯罪が成立するところとか、ゴスペルや小道具ひとつひとつに意味があるんですよ」
配給会社の人は熱心に語ってくれたけど、すみません、 二度、三度と観てみようという気にはなれそうにないかと(汗)
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「ヴェロニカ・ゲリン」
2004年4月16日 東映試写室

前回、さんざん「オランダ好き」をアピールした私だけど、実はアイルランドもかなり好きな国だったりする。まぁ、いわゆる「大国」じゃない国が好きなんだよね。そういう国の映画って独特の味があるし、おまけになかなか日本に入ってこないから、たまに入ってくると絶対観たい!と思っちゃう。
でも私のアイルランド好きは、ドイツ好きやオランダ好きと比べると歴史が浅くて、2年前の日韓W杯でドイツ対アイルランドの試合を生観戦して以来。それまでは特になんとも思わなかった国だったけど、あの試合を観て以来――正確にはアイルランド人のサポーターに囲まれて、彼らと一緒に一喜一憂して以来、アイルランドびいきに。 詳しいことは「ドイツvsアイルランド観戦記 」に書いてあるけど、アイルランド人って本当にサッカーを愛していて、そして自国を愛しているんだなぁ…と実感。もちろん最後の最後まであきらめない、アイルランド代表チームの“アイリッシュ魂”にも惚れた。なんせドイツを応援する気満々で、ドイツユニまで着てスタジアム入りした私が、試合途中でアイルランド応援に寝返ったくらいですから(笑)。

で、そんな「にわかアイルランド好き」の私は、“アイルランドの勇気の象徴(映画チラシより)”と言われている女性記者、ヴェロニカ・ゲリンについては全く無知で、この映画の試写 会の招待状を見て初めて知った。「犯罪組織に記事で戦いを挑み続けたジャーナリストを描いた、衝撃と感動の実話」というチラシのコピーを見て、「これは絶対観なくては…」と。映画にしろ小説にしろ、実話を元にした話、いわゆるノンフィクションって、かなり好きなジャンルなのだ。実話ならではのストーリーの重みがたまらない。アイルランドが舞台、というのも多いに興味をそそられたし。ただ、舞台はアイルランドで、登場人物も皆アイルランド人という設定だけど、制作はアメリカで、プロデューサーも監督もアメリカ人なんだよね。アイルランドのお話、しかも実話の映画化なんだから、どうせならアイルランド人が制作した映画が観たかった。ヒーロー、ヒロインが完全無欠にかっこいい、ありがちなハリウッド映画になってなきゃいいけど…と一抹の不安を秘めながら試写 会場に向った。

映画の最初に「真実の物語」とクレジットが出て、改めて気持ちがピシッと引き締められる。今まで数々の社会派ドラマを手がけてきたベテラン、ジョエル・シュマッカー監督の演出はさすがに手慣れていて、一寸の無駄 なシーンもなく、心地よい緊張感をはらみながらテンポよくストーリーが進行していく。
が、観ている間中、なんともいえない違和感がずっとつきまとっていた。脚本も、役者の演技も申し分ないのに、何かノリきれない。ヴェロニカ役のケイト・ブランシェットを観ながら、「なんか、ちがう…」と胸の中でつぶやいている。映画を見終わって、家に帰ってネットで実際のヴェロニカ・ゲリンの写 真を検索した時、謎が解けた。私がこの映画に言いようのない違和感を感じていた理由――それは実際のヴェロニカと、映画の中のケイト・ブランシェット演じるヴェロニカが似ても似つかないから、だったのだ。
「映画だから、実像よりも多少美化されるのはしょうがない」という意見もあるだろう。だがブランシェット演じるヴェロニカは美人で長身でスリムで――つまり完璧すぎて、あまり女性記者には見えない。まるでモデルのようだ。そして、これは私がW杯の時に多数のアイルランドサポーター(女性もたくさん含まれていた)と接した時に感じたことなのだけど、アイルランド女性って、たいていみんな小柄なのだ。華奢で、小柄で、清楚。それが私のアイルランド女性の印象だった。欧米女性にありがちな威圧的な美しさではなく、もっと控えめで、透明感のある美しさ。だからある意味、日本人好みで、「アメリカやイギリスの女は怖いけど、アイルランドの女とならつきあいたい」とほざいていた日本人男性も多かった(笑)。
まあそれはともかく、アイルランドの女性は欧米人にしては小柄。というか、アイルランド人そのものが小柄。ドイツ対アイルランドの試合でも、アイルランド選手はみんな、ドイツ選手より頭ひとつ分くらい小さかった。だから、「アイルランド人=小柄 」という印象が染みついている私には、この映画のケイト・ブランシェットはデカすぎて、到底アイルランド人に見えなかった。実際、彼女はアイルランド人じゃないし。そして実際のヴェロニカ・ゲリンの写 真を見ても、やはり小柄だった。またその容貌も、 お世辞にも美人とは言いがたい、でも芯の強さを秘めた女性だった。

ヴェロニカ・ゲリン肖像
http://www.freemedia.at/IPIReport2.00/20Guerin.htm

全身写真
http://www.gillmacmillan.ie/gpages/Veronica%20Guerin.htm

 

上の写真を見ても分かるように、どこにでもいそうな、ごく庶民的な雰囲気の女性だったのだと思う。でもそういう、「見た目はごく普通 のおばさん」が、ペンの力だけを武器に、巨大な麻薬組織に闘いを挑んでゆく姿勢に、感銘を受けるのではないか。少なくとも私は、映画の中の“クールな美人で、スタイル抜群”のヴェロニカよりも、“どこにでもいそうなおばさん”の実在のヴェロニカの静止写 真に感銘を受けた。

ヴェロニカの旦那役の俳優さんはアイルランド人で、実際にヴェロニカの旦那だった人によく似ている(ように私には見えた)。だからだろうか、ブランシェットとのツーショットは不釣り合いで、とても「夫婦」には見えなかった。旦那が地味で素朴なのに対し、ブランシエットが美人すぎるのだ。
旦那以外にも、ブランシェット以外の俳優は全員アイルランド人で固めており、皆いい味を出している。実際、監督やプロデューサーも「アイルランドには、アメリカでは知られていない素晴らしい俳優がたくさんいる」「この街には世界でもっとも素晴らしい俳優がいる」と称賛しているのに、なぜ肝心のヴェロニカ役にはアイルランドの女優を起用しなかったのだろう?「ブランシェットこそ我々が考える唯一のヴェロニカ役だった」と監督が言いきっているように、まず最初に「ブランシェットありき」のスター映画だったからだろうか。確かに映画に目立ったスターがいなければ、制作のGOサインが出ないこともあるだろう。ヒットさせることももちろん重要だ。
ブランシェットが美人すぎて浮いている事をのぞけば、よくできた「ハリウッド映画」だと思う。だができれば、次はアイルランド人が作った、アイルランド人が演じるヴェロニカ・ゲリンのドラマが観たい。そう思った。

あと、映画を観ながら疑問に思ったこともひとつ。映画では、とにかく「正義感の強く、勇敢な女性」として描かれていたヴェロニカだけど、だったらなぜ犯罪者(ヴェロニカは彼が犯罪者であると知っていた)の一人から情報をもらって、それを記事にしていたの?その「情報提供者」であった犯罪者が自分に刃を向けたと知ったとたん、態度が豹変したけれど、それもおかしい。自分に害がなければ、そのままその犯罪者を見逃していたのか。
彼が、自分の憎むべき麻薬販売組織の一員だと知らなかったから、彼と親しくしていたのか。それもおかしい。犯罪者に「まだ罪の軽い、許される犯罪者」も「罪の重い、許されない犯罪者」もない。もしヴェロニカが本当に正義感の強い女性だったら、そもそも犯罪者と知りながら、彼から情報を提供してもらって、それをネタにする事などなかったのでは?と、映画を観ながら疑問に思った。
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「ネコのミヌース」
2004年4月8日 IMAGICAウエスト

映画を見た翌日、コンビニの駐車場で上品な毛並みのノラネコに遭遇。思わずパチリ。ピンボケしちゃったけど。

しくった…。会社終わってから急いで駆けつけたものの、試写会場が遠くて開映時間に間に合わず、約10分遅れで会場に到着。受付の男性にホールに案内してもらう際、その方が一言「もうネコは女の子に変身しちゃいました」。ガーーーーーン!そんなぁ。
どんな映画でもそうだけど、特にこういう「変身もの」って、その変身の瞬間というか、「過程」を見ておかないと感情移入できませんよね。でもまあ、主役二人の出会いのシーンが見れたからいいか。私がようやく席についてスクリーンを見上げると、木に登った女の子が枝に座ってるシーンだったのですが、一目見て「あ、このコがネコから変身した女の子だな」と分かりました。って、そんなもん誰だって分かるか(笑)。
実はネコってそれほど好きな動物ではないのですが(犬やウサギが好き)、それでもこの映画に惹かれたのは、なんといっても「オランダ映画」だから。「ネコが人間の女の子に変身する」というお話自体はありがちだし、特に日本のアニメや漫画では定番というか。ネコ耳つけて、「にゃん♪」とか言ってる、いわゆる「ネコ娘」のオタくさ〜い絵が脳裏に浮かんで、反射的に「観たくないよ、そんなもん」と思ってしまうのは偏見でしょうか(^^;)。でも日本がこういうテーマを扱うと、やっぱりオタくさくなってしまうような。
かといって、アメリカ映画がこういうテーマを扱っても、これまた派手派手のくどい映画になりそうだし。その点オランダ映画なら、こういうメルヘンなテーマ(そもそも、原作は児童文学らしいし)を、素朴な上質のファンタジーとして造りあげられそうな気がする。 そもそも、オランダってメルヘンの国だし。建物も、風景もメルヘンチック。
という訳で、私が「オランダ好き」というのが、この映画を観たいと思った最大の理由(きっぱり)。オランダって好きなんですよねー。ヨーロッパの中では比較的マイナーな国だけど、昔からずっと憧れていて、それこそイギリスやフランスとかよりずっと好き。「行ってみたい国」としては、ドイツと並んでトップです。って、ドイツとオランダって仲悪いことで有名だったりするんですが(^^;)。両国のサッカー代表の試合なんて因縁たっぷりだから、すごい雰囲気だし。でもドイツのサッカーも好きだけど、オランダのサッカーも好きだーーー!UEROでは同グループだけど、どっちも頑張って欲しいよぅ。

…話を映画に戻そう。そういう訳で、オランダ好きとしては見逃せなかったこの映画、やっぱり楽しかったです。なんといっても、オランダの風景がいい!なんてことない街並みがとてもお洒落でいい雰囲気なのはヨーロッパ映画ではよくあることですが、この映画の場合、同じ「ヨーロッパの街並み」でもパリみたいに洗練されたお洒落っぽさじゃなくて、どことなく素朴でメルヘンチック。そこがとってもオランダらしくて。それぞれの家にはちゃんと飾り窓があって花が飾られているのも、いかにもオランダって感じで、見てるだけでほのぼのしちゃう。
「オランダらしい」といえば、俳優さんたちもオランダらしい。特に新聞記者のティベを演じた俳優さんが、長身・面 長 で、もう典型的な「オランダ男性」。オランダ人、特に男性は世界で最も背が高くて身体が大きい人種だと聞いたことがあるけれど、確かに今まで出会ったオランダ人はみんな長身だった。あと、個人的に思っているのが「顔が長い」ってこと。わかりやすく言うと馬面 。まあこれは、サッカー選手のルート・ファン・ニステルローイやロイ・マカーイの印象が強すぎるせいかもしれませんが(笑)。でもティベ役のテオ・マーセンも面 長で、素朴で全然ヒーローっぽくないところが好印象でした。
逆に、ヒロインの「ネコ娘」を演じた女優さんは、それほどオランダらしい顔とは思わなかったかも。どちらかというとフランス女優のような小粋なキュートさがあって、いかにも「ネコ娘」って感じで、変身シーンを見逃した私でも違和感なくストーリーにのめりこめました。

まあ、悪役の描き方が単純すぎることとか、「なんでそんなに簡単に逮捕しちゃうの?」という疑問とか、 ツッコミどころは探せば色々あるのですが、元々が「児童文学」で、お話自体も「ネコが突然女の子になった!」という「メルヘン」なんだし、そんなツッコミはするだけ野暮というもんでしょう。 とにかくひさびさにほんわかした気持ちになれる映画でした。やっぱりこういう気持ちは、ハリウッド映画では味わえない。「キュートな小品」ってまさしくこういう映画のことをいうんだなあ。上映規模はミニ・シアター系よりもっと小規模で、東京でも大阪でもたった一館でしか上映しないみたいだけど、観れる機会があったらぜひ観てみてくださいな。特にネコ好きは必見。特にネコ好きという訳じゃない私でも、この映画の帰り道、偶然2匹ものノラネコに遭遇した時は「かーわいい」なんてすり寄ってしまったし。この映画の影響に違いない。うん。
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「パッション」
2004年4月1日 リサイタルホール

…げんなり。生まれて初めて、映画の途中で耐えきれなくなって劇場の外に出ました。TVで映画見てて、途中で見るのをやめるってことはあっても、劇場で途中退席したのは初めて。まぁ、お金払ってない、試写 会だったからできたことかもしれないけど。というか、そもそもタダだから観に行ったんだけど(爆)。
こういう仰々しい映画ってあんまり観たいと思わないんだけど、世間ではかなり話題になってるし、一応クリスチャンでもあるので、タダならまぁ観ておこうかなと。しかし冒頭、いきなりゲッセマネの園の場面 から始まった時はぶったまげました。「おいおい、いきなりそのシーンかよ!」って。この時点で、早くももう観に来たことを後悔。 「もしかして、この後ひたすら受難シーンが続くのかしら…まさかね(汗)」しかしそのまさかでした。2時間、えんえん受難(分かりやすくいうと、拷問&惨殺)シーン。時たまちょろっと入る回想シーンで、イエスの大工時代の話や、弟子達を連れて伝道しているシーンが入るけど、ほんとにちょろっと。あんな短いシーン(しかも回想)で、観客にイエスの生涯が伝わるのか?現に一緒に観た会社の同僚は「いきなりイエスが捕らえられたけど、なんで?何かやったの?」と目を白黒させてたし。そりゃそーだ。そりゃあアメリカやヨーロッパではキリスト教文化は定着してるから、いきなりゲッセマネの園から始まってもみんなついていけるかもしれないけど。
そういう意味ではこの映画って、最初からキリスト教に馴染みの無い人種はスッパリ切り捨てて、既に基礎知識のある観客限定の映画なのかも。でもちっちゃい頃から教会に通 って、それなりに基礎知識のあるはずの私でも、この映画にはついていけなかった。えんえんと続く拷問シーンがうんざりするから、だけではない。感情移入できないのだ。いくら聖書の四福音書を読んでいて、イエスの生涯について一応は知ってるつもりの私でも、いきなりゲッセマネの園から始まられちゃあ、ちっともイエスに感情移入できない。だってシリーズものならともかく、このジム・カヴィーゼルという俳優演じるイエスを観るのは、この映画が初めてなんだよ?「ジム・カヴィーゼル演じるイエス・キリスト」に馴染んで、感情移入するためにはもう少し、受難の前に語るべきストーリーが あったのでは。何も馬小屋での生誕シーンからやれなんて言わないから、せめて山上の垂訓くらいはさぁ。いや、イエスの最後の12時間を描きたかったという監督の意図を尊重して、ぎりぎり譲っても、せめて最後の晩餐くらいは。最後の晩餐からゲッセマネの園への流れがあって、初めてイエスの受難が理解できると思うのに。 イエスの受難を描きたかったら、 最後の晩餐は絶対外せないだろ!(って、エラそうだなー私…。ふだんはてんでぐーたらなクリスチャンのくせに)

タイトルの「passion」って、辞書でひくと「キリストの受難」「情熱、激情」と、ふたつの 意味があるんですね。初めて知りました。ほんと、タイトルそのまんまの「受難」映画。内容はもちろん、それを2時間に渡って見せられる観客も受難だ…。「イエスの最後の12時間を描く」というコンセプトには別 に反対しないけれど、描き方がエグくて、くどい。裁判が終わって、とうとう十字架を背負ってゴルゴダの丘に行かなければならなくなったシーンで、ついにたまりかねて席を立ちました、でも同僚を残しているのでそのまま帰る訳にもいかず、映画が終わるまでトイレにこもって時間つぶし(笑)。
ようやくエンドロールになったのを確認して席に戻ると、隣の席の同僚が青ざめた顔で「もう怖くて怖くて、涙が止まらなかった。そこらのホラー映画よりずっと怖かった」。
「この映画は絶対デートで観に 行けないよね。見終わった後、二人ともどよーんとしちゃって雰囲気最悪になりそう。そのまま別 れたりして」「ファミリーでも観に行けないよ。特に小さい子どもはこんなの見せられたら、一生トラウマになるって」
でも怖がっていたその同僚が、帰り道、「イエスの生涯をもっと詳しく知りたい」というので、私の持ってる「リビングバイブル(読みやすい初心者向け聖書) 」を貸してあげる約束をしました。ま、これで彼女が少しでも聖書に親しくなってくれるのなら、この映画を観に行った価値もあるのかも。

…と強引に自分を納得させようとするものの、やっぱり不快感はぬぐい切れない 。なんでだろ。ポール・サイモンが「ミセス・ロビンソン」で「Coo coo ca choo, Mrs. Robinson Jesus loves you more than you will know」と歌っても、「不謹慎だ」とも「不愉快だ」とも思わないのに、この映画はどうもダメ。統一協会やモルモン教が「キリスト教」を名乗っているのと同じ種類の不快感を感じてしまう。とはいえ、映画の半分ぐらいしか観てないから、はっきり「ダメ」の烙印を押すのも気がひける…。肝心の十字架から復活にいたるまでのクライマックスを観てないから。だからといって、またこの映画を見直そうというという気には到底ならない…。最初の、ほんの数分のシーンだけで「あー、この映画だめだわ。生理的に合わない」と思っちゃったし。やたらとスローモーションを多用した仰々しい演出とか、重厚さを狙いすぎた、おどろおどろしい演技とか。ほんと、やたらと大作ぶったコケ脅しホラー映画のようでした。言い過ぎかなー。
そもそも、イエスの生涯を映画で忠実に再現しようとすることに無理があるのかも。やっぱりひとり静かに聖書を読みながら、場面 を想像するのがええわーとしみじみ思いました。(とか言って、最近ちーとも聖書読んでないんですが(汗)
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「フォーチュン・クッキー」
2004年4月1日 東映試写室

試写 会場の入口で、プレスシートと一緒にもらったフォーチュン(おみくじ)クッキー。
アメリカのチャイニーズ・レストランでは、食事の後にこうした半円型のおみくじ入りクッキーを食べる習慣があるそうです。

この映画、去年の夏ごろNHKの衛星放送を見てたら、偶然アメリカのTVニュースで取り上げられてたんですよね。「ただ今ヒット中の話題作」として。ジェイミー・リー・カーティス演じる母親と、その娘の身体が入れ替わっちゃうお話で、お話自体はありがち…(実際、1976年の映画のリメイクらしいし)。でもいくつか流れた映画のシーンで見た、15歳の娘の精神が乗り移ったジェイミー・リーのハチャメチャな母親ぶりが楽しくて、「うわ、おもしろそー。観たい!」とだんぜん興味をそそられました。なんたって、ジェイミー・リー・カーティス大好きなんですよねー。「ホラー映画の女王」と言われてた若い頃からずっと好きで(私の年がバレますね^^;)、年を重ねるごとに魅力的に、アクティヴになっていく女優さんですよね。「トゥルー・ライズ」なんか最高!主役のシュワちゃんより目立ってたような(笑)。
シリアスもいいけど、やっぱりコメディで最高に輝く女優さんだと思うから、この映画は大期待でした。なので日本公開が決まって試写 会の招待状が来た時は、「ついに観れる!」と大喜び。こんなに試写会に行くのが待ち遠しかった映画もない(笑)。(といっても、試写 会自体、まだそんなにたくさん行ってないのですが)

観る前から期待大な映画って、たいてい「期待していた程では…」というオチが多いんだけど、この映画はその逆。期待を上回る面 白さでした!やっぱりジェイミー・リー最高。彼女の魅力がこの映画を支えているといっても過言ではない。娘役のリンゼイ・ローハンもキュートで芸達者なんだけど、どう見てもジェイミー・リーの役柄の方が面 白いからなぁ。40代のシングルマザーの心を持つ女子高生よりも、外見は40代、でも中味はロックに夢中な15歳!という役の方がずっとおいしい。役得。とはいえ、ジェイミー・リーだからこそこの役を見事に演じきれたというのも事実。ワイルドな女子高生になりきって叫んだり泣いたりするジェイミー・リーは本当にいきいきしてて、身体が入れ替わる前の「本帳面 で完璧主義の精神科医」役より遥かにチャーミングでした。
それと 「トゥルー・ライズ」の時も思ったんだけど、ジェイミー・リーって「半ベソかきながら告白する」演技が真に迫ってて、とても上手いと思いません?この映画のクライマックスもそういうシーンなんだけど、見てて思わずもらい泣き。それまで笑ってばかりだったのに。観客を笑わせて泣かせて、もうジェイミー・リーの独断場。
他の俳優さんでは、個人的にジェイミー・リーの婚約者・ライアン役のマーク・ハーモンが気に入りました。こういう、決して主役を食わないんだけどいい味出してる俳優って好きだ。
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「TAIZO」
2004年3月31日 ビジュアルアーツ専門学校

奥山和由プロデューサーと中島多圭子監督。上映前の舞台挨拶にて。 中島監督って、まるで女優みたいにきれいだな〜と思ってたら、それもそのはず。篠山 紀信撮影の女子大生シリーズのモデルとして「週刊朝日」の表紙を飾ったのをきっかけにこの業界に入り、かつてはTVキャスターとして活躍していたそうです。

仕事帰りに「TAIZO」の試写会に行ってきました。私自身、最近カメラに興味を持ち始め、取材の時に持ち歩くデジカメも今持ってるやつじゃ物足りなくて、「もっと本格的な、一眼レフデジカメ欲しいなぁ」と思っていたり。
しかしお恥ずかしいことに、わずか26歳で消息を絶った戦場カメラマン・一ノ瀬泰造のことは、この映画の試写 会の案内状を見て初めて知りました。98年に制作された伝記映画「地雷を踏んだらサヨウナラ」も、彼の死後、残されたご両親が作成された写 真集の存在も。
なのでまずは、「一ノ瀬泰造」という人物について知るきっかけを与えてくれたこの映画に感謝。で、見終わった後の感想というと…。上映前の舞台挨拶で、監督の中島多圭子さんが「辛口でもいいから、率直な感想を掲示板に書き込んでほしい」とおっしゃっていたことを思い出し、個人的に思ったことを以下につらつらと書いてみました。

ひとつめ。実在の人物を取り上げたドキュメンタリー映画、それも邦画を観るのは久しぶりだったのですが、そのせいでしょうか。なんだかいかにも「泣かせよう、泣かせよう」としているように感じました。(製作者側にそのような意図はなくとも、私はそのように感じてしまった)バックにずっと哀愁ただようピアノソロが流れていたり、年老いた泰造の母親を舐めるようにアップでえんえんと映したり。観終わった後にプレスシートを読んで、この母親と中島監督が長い期間、撮影のため共同生活をしていたことを知り、「ああ、それで監督はこのお母さんに感情移入しちゃって、あんなにお母さんのシーンが長かったのか」と納得しました。でもそれを知らない観賞中は、「そりゃ、哀しげなピアノソロをバックに、息子と夫に先立たれた年老いた母親が切々と心情を語るシーンが続けば、誰だって泣いちゃうよぉ」と、こちらも涙で目をうるうるさせながら、心の片隅で苦笑してました。毎年、泰造の誕生日には栗入りのお赤飯を作って仏前に供えたり、やたらと「仏壇に飾った息子の写 真」に語りかけるシーンが多いのも、いかにも「日本的」だなぁと。とはいえ、これは私が仏教徒ではなく、「家に仏壇がある生活」に全く馴染みがないからかも。
「息子を想う母親の気持ち」が大きくクローズアップされているのは、やはり監督が女性だから、なのでしょうか。それはそれでいいのですが、もっと泰造その人の生き方を追いたかった私としては、息子を想う母親の語りのシーンが多くて、母親に感情移入してしまい、「あんなに一途に夢を追い続けたのに、それがかなう直前に死んでしまってかわいそう」という印象の方を強く持ってしまうような気がして、もったいなく思いました。

ふたつめ。泰造の声を担当した坂口憲二さん。俳優だけあって確かに声の演技はうまいんだけど、二枚目風というか、ヒーロー風の声すぎて、泰造の写 真に合わない…。写真だけ見ると、泰造の風貌って決して「二枚目」ではない。むしろ今でいうオタク風?(当時はそういう単語はなかっただろうけど)
プレスシートには「一人のヒーローとしてではなく、夢を抱いた一青年の姿を伝えたかった」という監督の言葉があるけれど、それならなおさら、あのようなヒーローっぽい声ではなく、もっと普通 の、どこにでもいるような声をあてた方がよかったのではないでしょうか。
(個人的に坂口憲二さんの声って、「正義感溢れる優等生」って感じで、泰造が秘めていた「無謀さ」「狂気に近いがむしゃらさ」が全く感じられない…。なんだかウルトラマンの主役の、「なんとか隊員」の声みたいだな〜とずっと思ってました)

みっつめ。ラスト、エンドクレジットに流れる「さくら、さくら」の歌が唐突で、「なんだいきなり?」と思ってしまった。後でプレスシートを読んで、あれは現存している泰造の実の歌声だと知り、納得。それならそうと、そのことをそのシーンで明記すれば、もっと、あの歌声が胸に染みるのに…ともったいなく思いました。

以上、思ったことをつらつらと並べてみましたが、「一ノ瀬泰造」という人物についての製作者の思い入れは充分伝わってきました。その「思い入れ」が強すぎて、私にとってはちょっと感傷的すぎる映画になっちゃったのかなぁ…とも思いますが、でも映画を見終わって、「泰造についてもっと知りたい」という思いに駆られたのは確か。
製作者の泰造への思い入れが、観客にも乗り移ったとしたら、それだけでもう、この映画は十分価値があるのかもしれません。

最後に、舞台挨拶での奥山プロデューサーの「泰造の魅力は、その愚かさ」という言葉がとても胸に残りました。私も、後の時代の人からは「バカだなぁ」と思われてもいいから、自分のやりたいことを思いきって、それこそ命がけでやってみたい!
「夢とは、それが成就することが大切なのではない。持つこと、持てることが大切なのではないだろうか」
「TAIZO」のプレスシートに書かれていた、この映画の音楽を担当した深町純さんの言葉です。
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「ドラムライン」と淀川工業高校吹奏楽部
2004年3月23日 リサイタルホール

最近、試写会づいてる私。(といっても、まだ2回目ですが…)今週は映画「ドラムライン」の試写 会に行ってきました。給料が雀の涙だから、せめて試写会だけでも行きまくってやる〜。

ホールでの一般試写だったので、映画の前には数々のコンテストで優勝し、「日本一のバンド」とも言われている大阪府立淀川工業高校・吹奏楽部の演奏というイベントが。揃いの白い制服でステージに登場した時は、ほっぺたパンパンの童顔の少年が多くて、「あー、いかにも“吹奏楽やってる”って感じで、みんな真面 目そうで可愛いな〜」と思ったのですが、いざ演奏が始まるとビックリ。音楽音痴の私にはプロとアマの音の違いなんて分からないですが、まさにプロ顔負け!の素晴らしい演奏でした。いや、単純に音の迫力だけなら彼らの方が上かも。若い分、トランペットの音やドラムの音にはちきれんばかりのパワーがみなぎってて、後ろの席の人なんか思わず「うるさい…」とぼやいてたし(笑)。指揮者のおじさん(クラブの先生らしい)が曲の合間に主な楽器をいくつか紹介しくれたのですが、この先生が喋り上手でまたビックリ。まじでステージ慣れしてるって感じでした。最後、ヤングマンの演奏と共に赤いシャツ来た少年たちがステージ脇から飛びだしてきて、彼らのリードであの懐かしい「ワーイ、エムシーエー♪」の仕草をやっちまいました。

肝心の映画「ドラムライン」は、天才的なドラムテクニックを持つ主人公が、大学の有名マーチングバンド部にスカウトされ、そこでの挫折と成長を描いた話。…が、典型的なアメリカ映画らしく、「挫折」といってもすぐ乗り越えるし、険悪だった先輩ともすぐ和解するし、もう片っ端からストーリー展開が読めちゃうんですよねー(^^;)。でも、だからといって「つまらない」なんて事は決してなく、むしろ最後はハッピーエンドで終わると分かってるからこそ、脅威のドラム・テクニッを思う存分堪能できる。ご都合主義なところも全てひっくるめて、愛すべきエンターティメント快作でした。この映画は、ぜひ映画館で、しかもなるべく音響のいい所で見るべし。

あと、個人的に気に入ったのが大学唯一の白人生徒の男の子。その熱血ぶりと、それにともなう空回りっぷりに、サッカーの川口能活を連想してしまうのは私だけ?(笑)。周りの生徒たち(全員黒人) から、ビミョーにひとりだけ浮いてるし。それは彼が「大学唯一の、というよりこの映画唯一の」白人だからなのか、それとも彼自身のキャラクターのせいなのか。分からないけれど、うまいキャスティングだな〜と感心。
そういう周囲からの「浮きっぷり」も含め、途中からその男の子がもう能活にしか見えなくて、可笑しくって。顔は男前なんだけど、なんともいいようのない「トホホ感」が似てるんだよね〜。ったく。
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「ビッグ・フィッシュ」
2004年3月16日 リサイタルホール
今日は、仕事帰りに映画「ビッグ・フィッシュ」の試写会に行ってきました。いったい何年ぶりだろう、TVじゃなく、スクリーンで映画を見たのは。もうそれだけで感激しちゃって、映画始まる前から涙でウルウルしてました。今の会社に入ってから試写 会の案内ってけっこう来るんだけど、上司は社員が試写会に行くのを快く思わないらしく、また忙しくてなかなか仕事中に 抜け出せない事もあって(マスコミ向けの試写会はたいてい平日の昼間)、今まで試写 会に行く機会は無かったのです。それに、仕事抜け出してまで観たい!と思うような映画も無かったし。でもこの「ビッグ・フィッシュ」には何か、強く惹かれる引力を感じたので見に行きました。したら、大当たり。いい映画でした。久しぶりに気持ち良く泣いてきました。 …というか、前述したように映画始まる前から既に涙目だったんですが(笑)。でも映画のクライマックス近くでは本格的に泣き出し始めて、しゃくりあげそうになるのを懸命にこらえるほど。周りからも鼻をすする音が聞こえてくるし、雰囲気に弱い私は周りが泣いてるとますます激しく泣けてくるので、両手で耳をふさいで聞こえないようにしたりして。

映画の詳しい内容については伏せときます。予備知識なしで、真っ白な頭のまま観た方が楽しめると思うし。私もこの映画は、ティム・バートン監督の最新作、という知識だけ持って観に行きました。観終わって心に残ったのは、「おとぎ話の中にも真実はある」って 事でしょうか。私って自分でも呆れるくらい記憶力も頭の回転も悪くて、映画観ながら、展開についていけずにオロオロする事がしょっちゅうなんですが、この映画も例に漏れずそうでした。でもこの映画は「え?今のどういう事?つじつまが合わないよ〜」と思っても、すぐに「どうせおとぎ話なんだから、ま、いいか。そんなに理詰めで考えるような映画じゃないし」とすんなり流せたので、楽でした。でもやっぱりもっかい、観たいなぁ。
個人的に気に入ったキャラクターは、巨人カール。演じているのは世界最大の足を持つ人としてギネスブックにも登録されている、マシュー・マグローリー。本職の俳優じゃないところがかえっていい味出してました。 観てるだけでほのぼのしちゃう。

しかし上映前、司会の人が「これまでのティム・バートンの映画とは一味違う。ティム・バートンが新境地を開いた映画です!」としきりに強調してたけど、実はティム・バートン映画は「猿の惑星」しか観た事がない私には、これまでの作品との違いとかはよく分からなかった(^^;)。監督の名前で映画を見る方でもないしね。でもこれだけははっきり言える。「猿の惑星」よりは遥かによかった!(あの映画も嫌いじゃないけど、後味悪すぎ…)

という訳で、自信を持っておすすめできる 「ビッグ・フィッシュ」は5月公開予定です。
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