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この扉を開く前に、ぜひ読んで頂きたいこと


私はこのサイトを、ポール・サイモンを誉め称えるために開く。
サイトを作るのはこれが初めてではないけれど、こんなにあからさまに一個人への愛を綴ったサイトは初めてだ。こんなの自分のガラじゃない、恥ずかしいとは思うけど、この日本におけるポール・サイモンへのあまりの不当評価、知名度の低さに、一ファンとして何かせずにはいられなかった。

‥‥なーんて、いきなり気負って書きだしてみたけれど。ふと我に返ってみると、そこまで深刻に考えてる訳ではないと気付いた。別 に世間のポールへの評価なんてどうでもいい、自分が好きならそれでいいんだけど。でも今までポールのファンなんて人はもちろん、彼の名前すら知らない人ばかりに囲まれて生きてきた私は、ちょっと欲求不満になってしまった。もっとポールの話がしたい。という訳で、長年たまった欲求不満をこのサイトで解消する事にした。だからポールに興味のない人にとってはちっとも面 白くないだろうし、たとえ彼のファンであっても、ポールに関する私の勝手な、思い込みの強い文章に気分を害する方もいるかもしれない。が、それはそれでかまわないと思っている。ポールに関するサイトは何もここだけではない。公式サイトを初め、他にもいくつか素晴らしいサイトがある。だから私はこのサイトを「ポール・サイモンの最新ニュースから海賊盤まで網羅した、ポールの全てを紹介する総合サイト」にしようなんて気はさらさらない。そんなのは他のサイトで事足りている。それよりもっと私的な、ポールについてとりとめのないひとりごとをつぶやくようなサイトにしたいと思う。
そんなサイト作っても、見てくれる人はほとんどいないかもしれないけど。でも私にはこれしかできない。私は特に音楽に詳しい訳でもないし、歌詞を深く分析して解説するような才能もない。ただポール・サイモンの音楽とその生き方に、惚れ込んでいる一ファンにすぎない。だからできる事といえば、彼に対してひっそりと、だが情熱的なラブレターを書く事しかない。そんなポール・サイモンらしからぬ ミーハーサイトが、一つはあってもいいと思う。

また「ひとりごとをつぶやく」ということは、「歯に衣着せずに物を言う」ということでもある。
だから私はまず、今からこのサイトを見ようとする方に以下の事を強く言っておきたい。
「このサイトはポール・サイモンを誉め称えるサイトであって、決してサイモン&ガーファンクルを誉め称えるサイトではない」ということ。

‥‥そんな事言ったら、見てくれる人がごくごく一部に限られそうだけど。でも正直な気持ちである。
もちろんS&Gが嫌いな訳ではない。S&Gがあったからこそ、今のポール・サイモンがあると思う。
だが‥‥これは全く個人的な感情なのだが、私はポールを「S&Gの片割れ」なんてチンケな形容詞で語ってほしくないのだ。彼のソロになってからの実績は、S&Gを凌駕していると思っている。だから日本でいまだに「S&Gのちっちゃい方」なんて言われているのは理解できないし、納得できない。確かにS&Gは素晴らしい。だがポールが長年に渡って懸命にS&Gを乗り越えようと努力し、事実乗り越えたのに、いつまでも「S&Gの片割れ」という肩書きでしか語られないのでは、ポールがあまりにかわいそうだ。

そんな訳で、私はS&Gにはちょっと複雑な感情を抱いている。好きか嫌いかと言われればもちろん好きだし、思い入れもたっぷりある。でも不満なのだ。S&Gそのものは大好きだけど、S&Gとポールを取り巻く状況があまりにも不公平なので、どうしてもポールに肩入れしてしまう。だから熱烈なS&Gファンの方がこのサイトを見ると、私の発言に腹を立てる事もあるかと思う。

もちろん悪口を言ったりしている訳ではない。だが「サウンド・オブ・サイレンスは、ポールのソロの方が好き」なんて発言を読んで、S&Gファン、特にアート・ガーファンクルファンの方は、あまりいい気はしないだろう。

だから最初に言っておきたい。ずるいやり方かもしれないが、中で何度も「S&Gファンの方、アートファンの方、こんな事言ってすみません」なんて謝らなくても済むように、扉を開く前に忠告しておきたいのだ。

ここはポール・サイモンただ一人を、ひたすら愛し、誉め称えるサイトです。恥ずかしげもなく。